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Posted by たまりば運営事務局 at

2022年12月01日

多摩川電子(製造業、部品メーカー)


多摩川ホールディングス傘下の多摩川電子は、神奈川県綾瀬市に本社を置く部品メーカーです。1970年に設立されました。高周波回路素子の開発・製造・販売の会社としてスタートしました。


高周波無線技術で成長し、1999年に上場


1977年神奈川県綾瀬市に本社工場を移転。高周波無線技術専門メーカーとして成長を続けました。中でも「高周波回路素子」の技術を武器に、計測機器・半導体組み立て事業を展開しました。

1999年8月には、ジャスダックに株式上場(IPO)を行いました。


自動車メーカーの電気的ノイズ試験装置


2010年代になって、多摩川電子は大きな開発テーマに挑戦しました。「光伝送・給電方式の広帯域電磁波計測装置」です。

自動車に搭載された電子機器はどれだけ電気的ノイズを発しているのか。または外部からのノイズに耐えられるのか---。自動車関連のメーカーなどが開発段階に行う電気的ノイズ試験で、より正確な試験結果を得られるようにするための技術になります。


光ファイバーを活用



開発が動きだしたのは2013年ごろです。従来のノイズ試験では試験装置本体と測定アンテナの間を電線でつなぐため、そこで電磁誘導が生じていました。

そもそも電線を使わなければ、よりノイズの干渉を受けずに評価ができるのではないか、と考えたといいます。

たどりついたのは通信用機器を多く手掛ける本業で磨いてきた光ファイバー伝送技術の活用です。光ファイバーを用いれば電磁誘導の影響を受けずに給電し続けられるからです。


変換器の小型化に注力


実現に向け、技術的な挑戦も繰り返しました。

その試みの一つが、光ファイバーから測定アンテナに電力供給する過程で欠かせない変換器の小型化です。

自動車の内部で行う試験では、アンテナの取り回しのよさを損なわないことが重要です。

さらにむやみに小型化を追い求めると、試験に要求される周波数帯域をカバーできなくなる技術的課題もあったそうです。


測定の安定性を向上

変換器内の基板上の印刷配線の見直しなどに半年がかりで奔走しました。

結果、100キロヘルツから6ギガヘルツと、必要な測定周波数の帯域を確保し、試作段階で5センチあった最長部分を2.5センチまで小型化することに成功しました。

さらに光伝送技術を駆使して、測定の安定性や感度の向上を図りました。2014年から順次、商品化を進めました。

以来、自動車メーカーなどの研究開発部門で採用が進みました。  


  • Posted by kenja at 11:56多摩川電子